2026/3/6 - 3/28VIKI個展『WHITE NOISE』アート開放区人形町
- 17 時間前
- 読了時間: 3分

レシートアートパフォーマンス日時
3/7(土)14:00–17:30
3/14(土)12:00–15:30
3/14(土)16:30–18:30音楽家による特別演奏会「粋」※有料
VIKI個展『WHITE NOISE』
【展示ステイトメント】
レシートは、現代の「裏勝り」である。
東京の街を歩く。コンビニエンスストア、カフェ、書店のレジ。僕の耳に届くのは、サーマルプリンターが紙を吐き出す音と、繰り返される拒絶の言葉だ。
「レシートは、いりません。」
彼らはレシートを受け取らない。あるいは受け取っても、見もせずにくしゃりと丸め、無意 識のうちにゴミ箱へ放る。そこには強い感情すらない。ただ呼吸をするように消費し、瞬きをするように捨てていく。彼らは何を捨てたのだろう。
現代にはホワイトノイズが満ちている。 ホワイトノイズとは、あらゆる周波数を含み、すべての音を均一にかき消す背景音(雑音)のことだ。しかし、僕が聴くホワイトノイズは少し違う。それは、私たちが日々生み出し、そして意識の外側へと追いやった、膨大な消費の集積音だ。絶え間なく吐き出されるレシートの音、消費の雑音。私たちはこの、もっとも軽く、儚い消費の音は聞こえているだろうか。僕は、人々がノイズとして切り捨てたそのレシートを拾い集める。僕にとって、それはゴミではないからだ。社会はレシートを不要な情報(ノイズ)として処理する。しかし、耳を澄ませ、目を凝らしてほしい。無造作に捨てられたレシートの背景には、誰かが何を食べ、何を愛で、どう生きたかという無数の選択が刻まれている。
かつて、江戸時代に生まれた日本の美意識である「粋(いき)」。着物の裏地や長襦袢など、あえて見えない部分にこそ美やこだわりを宿す「裏勝り(うらまさり)」の精神だった。そして現代、私たちの「裏勝り」とは何だろうか。誰に見せることもなく財布の奥やポケットの中に押し込まれ、やがては忘れ去られてしまうレシートではないだろうか。僕は人々の記憶からこぼれ落ちたその記録こそが、現代における「裏勝り」であると感じている。
都市の喧騒を静寂へと反転させる膨大なホワイトノイズの集積。僕は新たな「粋」の景色として昇華させる。
【展示コンセプト】
現代の裏勝り(Contemporary Ura-masari)
江戸と現代、時代は変わっても、「粋(いき)」の本質は変わりません。「粋」とは見えない場所にこそ、本質(スタイル)を宿すという美学です。かつて人形町は、江戸の商業と文化の中心地であり、人々は着物の裏地や長襦袢など見えない部分に贅沢を凝らす「裏勝り(うらまさり)」を楽しみました。表層を飾るのではなく、内側にこだわりを持つことこそが、江戸で洗練された最高の「粋」だったのです。現代の東京において、その裏地に当たるものは何か? 僕はそれを、レシートだと考えます。何に時間とお金を払い、何を選び取るか。その蓄積こそが、現代人のスタイル(生き様)そのものです。しかし、多くの人はその証であるレシートを直視しません。 財布の奥やポケットの中という裏側に隠され、都市のノイズとして処理してしまいます。
本展『WHITE NOISE』では、人形町という街で人々が手放したレシートを消費社会の裏地として表に出し、構成します。消費の象徴であるホワイトノイズの集積。しかしその中には、現代の人形町を生きる人々の体温や物語が、織り込まれています。
不可視だった価値を可視化する。それは、消費(ノイズ)にこそ本質を見出す、「現代の粋」の再構築です。

















































コメント